こんにちは、えいがです。
今日は少し趣向を変えて、私が昔体験した出来事についてお話してみたいと思います。
お話したいのは、私が過去2回弁護士を立てずに裁判をした体験についてです。
正式には本人訴訟と呼ぶのですが、普通裁判は弁護士を立てて行うので結構珍しい事例だと思います。
そもそもなぜ裁判をすることになったのか?
私は15年間の会社経営のなかで、2回裁判を経験しています。どちらも代金回収のための訴訟です。裁判を行ったのはまだイベント会社を経営していた時期になります。
あるイベントが終わって相手方に請求書を出したのですが、支払予定日(翌月末)になっても振込がなかったんですね。
この時点でもう「これは怪しいな…」と思いました。
更に翌月まで待ってみたのですが、やはり支払いはありません。
流石におかしいので電話をして確認をしてみましたが
「あぁすみません、支払います」と軽いノリで答えられてしまいます。
しかし、やはり支払いはされず…
相手の会社に出向いて事情を聞きに行く
一体どういうことなのか流石におかしいと思った私は、直接相手の会社に出向き、事情を聞きに行きました。
すると「今ちょっと先方から代金が回収できていなくて…」といったような事をぐだぐだと述べられました。
しかし、僕らが携わったイベントの代金は明らかに回収できているはずなんですね。
単純に会社としてのキャッシュフローが破綻していたのではないか、と思います。
結局6ヶ月以上の期間に渡って代金の催促を行っていたのですが、一向に支払いをしてくれませんでした。
以上のような事情があり、相手方も支払いの意思を一向に見せなかったため、裁判に踏み切る決意を固めました。
なぜ弁護士を立てなかったのか?
この裁判自体が200万円くらいの裁判だったんですね。
それに対して弁護士に依頼する時の相場は、だいたい手付金30万円+成功報酬20%くらいだったと思います。
法律の解釈を争うようなものであればプロの弁護士に依頼した方がいいのでしょうが
今回のケースについては明らかにこちらに非がなかったので自分でやってみようかな、と思い本人訴訟をするに至りました。
内容証明を送る
まずはじめにやったことは、「内容証明郵便の送達」です。
内容証明というと仰々しい響きですが、これ自体に法的な拘束力はありません。
ではなぜ内容証明を送るのでしょうか?
なぜなら内容証明郵便とは、「債権者の意思を公的に示すことができる郵便」だからです。
どういうことかと言いますと
『私(債権者)は、支払いをしなかった相手(債務者)に対して「きちんと払ってくださいね」と伝えましたよ』という事実を、内容証明を送ることで、裁判で証拠として示せるようになります。
また内容証明を出すことで、代金回収に対する本気度を相手に伝え、精神的なプレッシャーを与えられるなどのメリットもあります。
その他、公的に日付を証明できるなど様々な利点はありますが、長くなってしまうので一旦ここでは省略します。
裁判所を通じて支払督促をする
内容証明を出してから1〜2週間くらいの期日を設けていたのですが、支払いはもちろん返事すらありませんでした。
支払いが無いことを確認した私は、裁判所で支払督促の申立をしました。
この支払督促ですが、裁判所を通じて相手方に「支払ってくださいね」と伝えるもので
裁判所が直接取り立てをしてくれるものではないんですね。
支払督促については必須ではないのですが
私も初めてだったのでスタンダードに支払督促の手続きをしました。
この支払督促に対して相手が異議申し立てをすると、そこで初めて裁判になります。
そして裁判へ…
支払督促を送った後、案の定相手方から異議の申立がありました。
そこで裁判をすることになりました。
皆さん、裁判って割と短いイメージありませんか?
私もそれ程かからずに終わるものだと思っていたのですが
民事裁判ってすごく時間がかかるんですね。
だいたい6〜8ヶ月くらいかかったと思います。
裁判というと、法廷で果敢に戦うイメージがありますが
実際に裁判所に行くまでは、3ヶ月ほど書面でのやり取りを行いました。
「〇〇だからお金を払ってください」
「いや、〇〇なので〇〇だ」と言ったやり取りを書面で行いました。
3ヶ月程書面でのやり取りを行った後に、初めて裁判所に行きました。
裁判所、行ってみた
書面でのやり取りを終え、やっと法廷に行くことができました。
私は原告(訴える側)なので、裁判長に向かって左側に立って宣誓をしました。
よく映画やドラマで観る光景ですが、本当にちゃんと宣誓をするんだな、と思いました笑
もちろん相手方も法廷に来ていて
お互いに書類を出して、それに対する裁判長からの質問、といったやり取りを何回か繰り返します。
このやり取りは短かったです。
なんと10分(!)くらいで終わってしまいました。
しかしこれで終わりではなく、次はそれに対してまた準備書面を出し合います。
次に法廷に行くのは、なんと1ヶ月後になります。
裁判と言っても、ほとんどは法廷外の書面のやり取りなんですね。
長いなーと思いつつ、そのやり取りを3、4回行い
最終的には「分割で支払います」ということで和解になりました。
裁判の決着はついたが…(強制執行)
裁判では「分割で支払う」という事で和解になったはずですが、
やはり相手からの予定通りの支払いはありませんでした。
分割で払うと言っているのに、依然として支払いがないんですね。
そこで今度は「強制執行」という手続きに入りました。
裁判に勝ったり、和解をしているのに支払いが2ヶ月以上滞っている場合、
強制執行をする事ができるようになります。
しかし相手もこの事を承知の上で
支払いの1回目はちゃんと払うのですが、2回目は半分しか払わない。
3,4回目も半分しか払わず、5回目の支払いの時は1ヶ月分を支払う。
このようにして、常に1ヶ月半分が未納の状態が二年ほど続きました。
イベントが終わって請求をしてから、完済までなんと3年もの月日がかかりました…!
これは大変なストレスでしたね
しかし、もちろんそれなりの手間はかかるものの
代金回収であれば、意外と本人訴訟でも手続きはできるものでした。
また今回は200万円だったのでできなかったのですが、状況によっては少額訴訟というシンプルな手続きで債権回収を行うこともできます。
相手からの支払いがなくても、泣き寝入りせず、まずは何ができるか調べてみる事が重要というお話でした。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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